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飽き性のくせに次々と新しい設定を妄想して楽しむたかのんの自己満足専用ページ。掲示板にてつらつらと妄想語り進行中。『はじめに』を呼んでください。感想もらえると飛んで喜びます。掲示板は一見さんお断りに見えないこともないけれど、基本誰でも書き込みOKです。
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魔女と生贄
黒羽真夜:ヒロイン。
「少し埃っぽいですけど、それもまた一興ですよね」
 長く艶やかな髪を掻き上げながら、黒羽真夜が口を開いた。
 言いながら、彼女は自身が部長を務める部活――歴史研究同好会に割り当てられた陰気な部室、要は社会科準備室の奥の方へと進んでいく。
 対し、黒羽に迫られる形で無理矢理顧問にさせられてしまった俺は、部室の入り口付近で所在なげに佇む他道はなかった。
 そんな俺の心情を知ってか知らずか、部室奥に到着しこちらを振り返った黒羽が訊いた。
「入らないんですか?」
 その瑞々しい唇に指を当て、黒羽は妖艶に微笑む。
 俺と一回り近く年の差があるのにもかかわらず、この少女はそんな印象を微塵も抱かせない。
 黒羽は俺の知るどんな女性よりも艶っぽく、女子中学生には到底持ち得ないほどの大人っぽさ、大人の女としての魅力をその身に秘めていた。
「なあ黒羽、どうしてお前はこの部活を潰させたくなかったんだ?」
 彼女に誘われるまま部屋の奥に申し訳程度に置かれていた机に腰掛けた俺は、彼女に顧問になることを迫られた頃からずっと胸の内に秘めていた疑問を尋ねてみることにした。
 歴史研究同好会は、その名の示すとおり歴史の研究に主眼を置いた部活動である。
 当然ただの中学生がそこまで歴史に興味があるはずもなく――むしろ歴史は大嫌いという生徒の方が多いのでは無かろうか――俺がこの学校に赴任してきた去年の時点では在籍生徒はゼロであった。
 だが、黒羽真夜はこの同好会に入部し、顧問がいないために発生した廃部の危機を、俺という生贄を見つけることによって回避した。
 いったい何が彼女を突き動かしたのか、俺にはわからない。
「理由はいくつかあります」
 同じく俺の横に腰掛けた黒羽が、俺の胸元に視線を落としつつ言った。
 黒羽は俺よりも背が低い故、彼女を見ようとすれば俺の視線は必然的に下がることになる。
 黒羽の、人形のように整った顔――ある意味失礼極まりないが、寸分の狂いもなくただ完璧を求めて造り上げられた至高の貌と呼ぶに相応しいだろう――を直視するのは少々気恥ずかしくなる。だから俺は少しだけ視線を逸らした。主に下へ。
 すれば、少しだけ捲れたスカートの裾から覗く黒タイツとすらりと伸びる脚に、俺は教師としてはあるまじき感情を抱いてしまったことを恥じなければならないだろう。
 心の内の動揺を精一杯隠しつつ、俺は問うた。
「教えてくれるのか?」
「ええ。だって先生にも関係していることですもの――」
 すっ、と音も立てず、ただ自然な成り行きでそうなったかのように、黒羽がその身を俺に預けてくる。
 彼女の左腕は俺の腰元に回り、右腕は俺と彼女の体を唯一隔てる壁の役割を果たしている。
「おい、黒羽……?」
 先述したとおり、黒羽真夜という少女は、同年代の少女をはるかに超越した魅力を備えている。それはおそらく世に数多いる男共を狂わせるのすら難くはないほどのものであり、かく言う俺もまた、彼女の仕草立ち居振る舞いには時折どきりとさせられる。
 で、そんな彼女が密着しているとなると、色々とまずい気分になってきてもおかしくはないわけだ。というか普通にピンチだろう。
「……先生と二人きりになりたかったんですもの」 
「待て、おい、黒羽さん……」
 いつの間にか、黒羽の右手は俺の胸元で規則的に以下略
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